ストレスが多いと女の子の出生率が上がる?

今までさまざまな事件や災害のあとに出生した男女比を統計でみてみると、男児よりも女児の出生比率が上回ることが数々の研究で明らかになっています。※(4)

ニューヨーク医科大学のフロレンシア博士が、科学誌(Human Reproduction)に発表した研究によれば、2010年にチリで発生した地震前後で統計調査したところ、通常は100人中51人は男児が産まれているのが、地震後は100人中45人の男児が出生。5.8%低下したというデータがでています。※(5)
また、カリフォルニア大学のラルフ教授が科学誌(American Journal Of Human Biology)に発表した数値でも、2011年の東日本大震災後の出生した男女比を統計調査したところ、男児の出生比率が低かった結果となっています。※(6)

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのウィリアム博士によると、大きなストレスがかかっている男性は「テストステロン」と呼ばれる男性ホルモンの一種が減ってしまうとのこと。すると、男児となる精子内に含まれる「XY染色体」の数が減って質も下がるため、男児の産まれる確率が減るのではないかと考えられているのです。※(7)

そもそも、赤ちゃんの性別はどのように決定するのか?

赤ちゃんの性別は、妊娠期間中に変化するのではなく、受精した段階で決定します。それは、母体にある卵子ではなく、精子によって変わるのです。
赤ちゃんの性別は、どのようにして決まるのでしょうか。

精子にはXX精子とXY精子がある

23組・46本ある染色体の中で「性染色体」と呼ばれる23組目の染色体が、性別を決定します。2本ある染色体の組み合わせがX染色体とX染色体の場合は女児が、X染色体とY染色体の場合は男児になるのです。

卵子にはX染色体しかありませんが、精子にはX染色体かY染色体を持っている精子があり、それぞれXX精子とXY精子と呼ばれています。射精された約2~3億個の精子のうち、1つの精子が1つの卵子と融合して受精卵となりますが、その出会った精子によって男女が決定されるのです。

XX精子とXY精子の違いとは?

以前は「頭の部分の大きさでXX精子、XY精子の見分けがつく」などともいわれていましたが、実際はあまり差がないため、見た目で判別するのは困難です。

しかし、XX精子とXY精子には異なる性質があります。女児になるXX精子は酸性に強く、寿命が長い(最大約72時間)ことが特徴です。それに比べて男児になるXY精子はアルカリ性に強く、寿命が短く(約24時間)なります。しかし、XY精子は運動能力が高い=泳ぐのが早いので、いち早く卵子へと到達。射精されたときの精子の数も、XX精子より多いというポイントがあるのです。

一方、XX精子は運動能力は高くはありませんが、過酷な酸性の環境でも生き抜けるという特徴があります。
ちなみに卵子の寿命は、排卵してから最大24時間。XX精子とXY精子の性質の違いをうまく活用して、産み分け法に応用することができるとされています。

有力とされる「産み分け」の方法とは

現在、産み分け方法はさまざま取り上げられています。セックスをするタイミングを取る方法から、薬剤などを使った方法、さらには最新の技術を駆使した方法などです。
以下に、代表的な産み分け方法を紹介していきましょう。

多くの産院で行われている産み分け 「シェトルズ法(shettles method)」

1960年代にLandrum B. Shettleが発案。David Rorvikとの共同出版「How to Choose the Sex of Your Baby」で発表された方法です。
世界中で30年以上活用されており、自然な方法なので安心して取り組むことができます。これは「精子の運動性能の差と耐性」という2つの特徴を利用した方法です。※(8)

まず1つ目は、夫婦関係を持つタイミング。
男児を産みたい場合には、より早く卵子に到達させることから、排卵した直後に行為をおこなう必要があります。女児を希望している場合には、排卵日の2.5~3日前にセックスをしなければなりません。排卵日ころには、男児になる精子が寿命により死滅している、というものです。

2つ目は、射精する際の挿入位置を変えるものです。
男児になるXY精子は、早く卵子に到達するため、そして酸性の状態に最小の時間で酸性状態から脱するために、より深く挿入を。反対に、女児になるXX精子を到達させるためには浅い位置で射精。そうすることで、生命力の弱いXY精子を卵子まで到達させないようにしているのです。

排卵日から数えてセックスをするタイミングをはかることから、「タイミング法」と呼ばれており、多くの日本の産婦人科ではこの手法が広く使われています。実際に病院では、診察によって卵子の状態から排卵が起こる日付を医師が測定し、いつセックスを行うのか指導されるのです。
成功率は75~90%と主張していますが、確実に精子をコントロールできるわけではないので、実際にはそれより低いともされています。

日本で唯一許可されている産み分け医療の「パーコール法」

「パーコール法」とは、人工授精などを行う際、精液から上質な精子を取り分ける方法の1つです。また、女の子を産み分けるための方法としてもおこなわれています。

パーコールと呼ばれるショ糖の一種である液体に精液を入れ、遠心分離にかけてXX精子とXY精子を分離します。これは、XX精子の方が、XY精子より重いことを利用しています。
もともとは畜産分野で使われていた技術でしたが、2006年から認められて使われるようになりました。

しかし、実際は確実に女児が産まれるXX精子を選びきることはむずかしく、男児を希望する場合は70~75%、女児を希望する場合は60〜65%という成功率といわれています。また医療機関によって異なりますが、1回当り数万円、そして妊娠するまで何度もおこなう必要も出てくるため、多額の費用が必要です。

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