「検査結果」と「症状」は必ずしも一致しない!?食べて何も起こらない事実が優先される

画像-赤ちゃん


「特異的IgE抗体検査」や「皮膚検査(プリックテスト)」などで陽性診断が出た場合でも、今までその食材を使った食事で何も変化が出ない場合には、特別な除去はせずこれまでどおり離乳食を進めても問題ありません。湿疹など体調に変化が出た場合には、改めて追加の試験をおこなっても良いでしょう。

無作為に抽出した乳児に対し、卵白の血中抗原特異性IgE抗体検査をすると、約20%が陽性になるという報告もあります。そのため、広くおこなわれている特異的IgE抗体検査やプリックテストだけで判断してしまわないほうが良いでしょう。

もし自分の子どもがアレルギー持ちだったら!アレルギー除去食による栄養不足の心配は?

子どもに多い「鉄欠乏症」。牛乳や卵のアレルギーがある場合、鉄分が不足しないか心配になるお母さんも多くいます。実際に、除去食によって鉄不足やその他の栄養不足になってしまうことはあるでしょうか。

鉄不足について心配する場合

母乳育児であるならば、母乳中にも鉄は含まれていますし、母乳中の鉄は吸収が良いので鉄不足について心配する必要はありません。しかし、母親が鉄不足になると鉄分が少なくなるおそれがあるので、お母さんもバランスの良い食事をこころがけ、鉄分が多い食材を積極的にとると良いでしょう。

また、赤ちゃんは、胎児の頃に鉄分を体内に蓄えて産まれてきます。早産児や低出生体重児、胎内発育不全児などでなければ、生後半年から1年ぐらいは母乳から摂取する鉄で必要な量を賄うことができます。アレルギー用の粉ミルクも、一般的な粉ミルクと同様に鉄分のの補給に役立ちます。

まぶたの裏側が白っぽいなど貧血を疑う症状がある場合には、血液検査を受けて鉄剤などを処方してもらうことができます。
また、ビタミンCは鉄分の吸収を高めてくれる栄養素です。新鮮な野菜や果物を、積極的に離乳食で取り入れるのもおすすめです。

アレルギー素材別、代替食材での栄養の補い方

鶏卵のM玉(約50g)あたりに含まれるタンパク質は、6.2gとされています。これは、鶏・豚・牛肉の場合30g、魚30g、絹ごし豆腐120g、牛乳180mlで代替することが可能です。複数の動物性・植物性タンパク質をとることで、容易に代替することができます。

牛乳アレルギーの場合、タンパク質については他にも代用できる食材はたくさんあるので、「カルシウム源」としての代替を考える必要があります。
牛乳コップ半分の90mlには、カルシウムが100mg入っています。牛乳アレルゲン除去調製粉乳は180ml、木綿豆腐83g、小松菜60g、ひじき(乾物)7.1g、ししゃも(生干)33g(1.5尾)となっています。

小麦は、主食を米にすることで解決するでしょう。

アレルゲンによるアナフィラキシー症状に注意!

「食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)」は、特定の食物を摂取後、運動の負荷によって「アナフィラキシー」が誘発される疾患の事を指します。発症はIgE依存性です。

原因となる食材は「小麦」と「甲殻類」が多く、ソバやピーナッツなど、アレルギー反応が強く出る食材で起きやすいといわれています。たとえ少量でも数分以内に激しい反応が発生し、場合によっては命にかかわる危険性があります。そのため、きちんと検査を受けて「何が原因でアナフィラキシー症状が起きるのか」を突き止める必要があるのです。

アナフィラキシーの既往がある方やリスクが高い方には、「エピペン(EpiPen)」と呼ばれるアドレナリン自己注射薬が処方されます。これは、医師の治療を受けるまでの間に、症状の進行を緩和するための補助治療薬です。
吐き続けたり、お腹の痛み、呼吸器の症状、意識がもろうとしたりぐったりするなど、緊急性が高い症状が出たら使用します。

緊急の場に居合わせた関係者が、エピペンを使用できない状況に陥った本人の代わりに注射をすることは、医師法違反とはなりません。

まとめ

食物アレルギーには、検査結果と実際の症状が一致しない方も多くいますが、「実際の症状が出なければあまり気にしないで良い」というのが医師たちの見解です。
しかし、1つの食材に含む「アレルゲンとなるタンパク質」は1種類ではありません。今まで大丈夫だった食材であっても、突然アレルギー反応が出ることもあるので注意する必要があります。

アレルギーテストは、小児科や内科、皮膚科などでおこなえます。気にしすぎるあまり食事づくりが怖い場合、自主的にテストをおこなってはっきりとさせるのも1つの手段です。

【参考・引用・関連リンク】
食品アレルギー診察ガイドライン2016 日本小児アレルギー学会
https://www.dental-diamond.jp/conf/nakakohara/allergy_2016/html/index.html

食物アレルギーの栄養食事指導手引き2017
https://www.foodallergy.jp/tebiki/

喘息予防のためのよくわかる食物アレルギーの基礎知識
https://www.erca.go.jp/common/img/yobou/uploads/kanjazensoku/ap027.pdf

ぜん息予防のためのよくわかる食物アレルギー対応ガイドブック
https://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/form/00/pdf/archives_24514.pdf

専門家が答える妊娠・出産・子育て事例集
著者:母子衛生研究会 編集協力、出版社:母子保健事業団

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